今日の午前中土砂降りの雨の中、フレームの乗せ換え依頼でロードバイクとフレームが持ち込まれました。
このロードバイクなんですけど・・・
一見単なる80年代のビンテージロードかと思いきや・・・
「えっ?マジか?」
SILKのロゴ・・・まさか片倉シルクか?
トップチューブやダウンチューブ、ヘッドチューブのロゴが一切無いので判りにくいが・・・
こんなチェーンガードのロゴを信じていいのかな?
と思いつつ調べてみたら、昭和50年代のR2というモデルと酷似している。
片倉シルクはモデルによってラグの形状も色々あるのですが、このモデルは結構どこにでもあるオーソドックスなラグを使用しているので、ヒントがなければVIVALOかNISHIKIと間違えそうです。
そもそも片倉シルクって言うくらいだから、本来は養蚕や紡績を中心に大きくなった片倉財閥のブランドなんですね。
戦後の不況から、自転車やオートバイの製作もするようになったとかだそうですが・・・
一応東京オリンピックでは、日本代表選手が使用する自転車も片倉シルクによるものでした。
今も絹自転車製作所というところが引き継いでいるそうですが、片倉自体は現在長野県においてもカタクラモールがイオングループに吸収されるなど、どんどんその名を聞かなくなってきています。
国産のビンテージバイクでなら、僕はZUNOWのフレームが一番好きです。
しかし片倉シルクのフレームの中でも、ラグやヘッドマークにこだわったモデルには、負けないくらい魅力を感じます。
過去に3RENSHOのフレームを愛用していただけに、国産オーダーフレームの良さは僕も十分理解しています。
日本人向けのジオメトリーや、精度の高さ・・・
乗ればその気持ち良さが判ります。
そしてサカエのハンドル&ステムも味わいがありますね!
一応パーツはシマノ・ティアグラなので変速周りは比較的新しいのですが・・・
それを乗せ換えるフレームがこれ!
チッポリーニ様が乗って、ロードバイクとしてのキャノンデールの地位を、揺るぎ無いものにした最初のバイクがこのCAAD3。
98年のチームサエコが採用していたアルミフレームです。
しかもSLICEカーボンフォークに、グラデーションも文字も入っていない初期ロットですね。
傷は所々あるものの、比較的程度の良い中古フレームです。
当時フレーム価格15万円と、プロスペックとしては有り得ないほど安く手に入るフレームだったので、ウィリエール・エリートと並んで日本でも大人気でした。
パンターニが使用するフレームが16万8000円に、チッポリーニが使用するフレームが15万円って・・・
円高の素晴らしさを満喫できた時代でした。
あと人によって賛否両論でしたが・・・
横から見たときのダウンチューブの形状ですが、BBハンガーからヘッドチューブにかけてパイプ径が細くなっているでしょ?
この三角錐形状をピラミッドチューブと呼んでいたんですけど、これによってBB周りの剛性を高めて、ダイレクトなペダリングを実現していた・・・そんな感じですね。
この形状を醜いという人もいるそうですが、僕は嫌いじゃないです。
ヘッド周りの剛性は最近のフレームと比べたら全然無い・・・でしょうが・・・
逆に最近のフレームがヘッド周りの剛性を高くしているのって、意味があるのか?って話なんですよね。
確かにハンドリングは変わります。
直進安定性も向上します。
しかしプロでもないホビーレーサーや、ましてや初心者がそこまで必要ですか?とも思えてしまうのは、この時代を知っているからなんでしょうか?
結局カーボンの破断強度を上げる為にサイズを大きくして、上記のような理由を取ってつけたように付け足している。
そのように思えてしまう僕はオールドタイプなんですかねぇ~。
僕は出始めの頃にこのキャノンデールに乗りましたけど、全然軽くて良く進みました!
剛性に不足は感じなかったし、ダンシングの反応も抜群!実際に欲しいとさえ思った自転車です。
そもそも世界最強のスーパースプリンターと呼ばれた、マリオ・チッポリーニのパワーを存分に発揮したフレームですから、かなり完成度は高かったはずです。
このフレームでどれほどジロやツールのステージ優勝を勝ち取った事か・・・
なので僕は古い自転車だから・・・なんて思いません。
全身全霊でキッチリ仕上げます!
やはりキャノンデールはMADE IN USAじゃないとね!
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