先日、新潟で相場産業株式会社という鉄工関係の経営をされている、相場代表が出張がてらにという事で当店にお立ち寄り下さいました。
当店のホームページや当ブログを読んで来ましたとの事でしたが、どうやら自転車専用の工具なんかも作ってらっしゃるそうなんですよ!
で、どんな工具を作っているのか見せて!ってお願いしたら・・・
「うわっ!面白っ!何ですかこれ!」
手前は15mmペダルレンチが2本。樹脂製のグリップが嫌いだという代表のこだわりが感じられるデザインです。
実際にレンチを使って力を加えた時の応力を考え、十分な強度を計算したヘッドのデザインも秀逸ですね。
レンチの長さとしては短めですが、剛性があるのでしっかり力を加えられます。
更に一番奥のレンチは8mmと10mmの六角が先端についていますが、これはビンディングペダルの取り付けに使います。
ポイントは竹の節のようなデザインで、これがまた握りやすくて力を加えやすいんです。
その手前の眼鏡レンチは両端のヘッドの向きが90度違いますが、これも力を加える部分の面積を広くして、手に優しいタッチを演出します。
そして最後に手前の右側はアーレンキーの形をした缶切りです!
もちろんレンチとしても使えます。
こんな風に遊び心がある工具も悪くありませんね。
その他にも・・・
アーレンキーの先端を加工したバルブキャップ。
前後ペアで1000円しません。
さりげないお洒落にはピッタリのパーツです!
そして目玉はこれですわ!
チタン合金製の工具!
マテリアルフェチにはたまらない工具です。
しかしスパナ(写真はコンビネーションレンチ)だけは既に廃盤予定で・・・
というのも、チタンは意外に柔らかいので、応力がかかると変形してスパナの口がガタガタになりやすいのです。
でも眼鏡レンチは問題なく使えます。
携帯用六角レンチは柄の部分だけがチタン製です!
良い工具を使ったらとっても整備が楽しくなります!
僕ももっと良い工具が欲しいんですけどね(笑)
まあ僕の場合は、貧乏学生時代に頑張って買い揃えた整備工具を今でも愛用していたりするので、必要に応じて少しずつグレードアップしていく感じですね。
ちなみに自転車を触る仕事をしていて、こんな当然の事をいうのもなんですが、使った工具をもともとあった場所に戻さないとか、汚れた手で使用して真っ黒になった工具をそのままにするって行為が死ぬほど嫌いなんですよ。
まあ作業が重なって置き忘れたり・・・ってのはありがちですが、汚れた工具の放ったらかしは絶対に許せない!
使い方が成っていないとか、雑な人なんてもっての他です。
正しい使い方で正確に丁寧な扱いをするのは当然の事、汚れたら手入れをするのがメカニシャンの心得です。
やっぱり道具にも愛情を注がないと良い仕事ができないというか・・・
せっかく手入れして綺麗にしたのに、次の日にはグリップが真っ黒になったドライバーを見ると、怒りが込み上げてくる今日この頃(笑)
あと自転車の扱いが雑な人も大嫌いですね。
先日CEEPO(アイアンマン公認ブランド)の田中代表とお話する機会があったのですが、トライアスリートは自転車の扱いが雑な人が多いので、自転車専門のプロショップに嫌われる傾向があるって話を聞かされて・・・
「そりゃもっともだ!」と思いました。
確かに自転車は道具の一つに過ぎなくて、そこにそれほど愛情が無いって人が多いんですね。
その選手の為に勝てる機材を作る人や、乗りやすくセッティング及び整備する人にとっては、機材(道具)に愛情を注がない選手のサポートなんて、死んでもやりたくない!って思えるものです。
その時代表に言われたのは、是非そんな人たちに機材の正しい扱い方を教えてあげて欲しいという事でした。
よく自転車の扱い方(僕は車の扱い方についても同じ考え方ですが)については、女性を扱う気持ちで乗りなさいという表現がございます。
そのくらい繊細な乗り物なんです。
そして自分の命を預けて乗る乗り物なんです!
その自転車の部品をポイポイと放り投げたり、足で払い除けたりする人を見たら心底萎えます。
先日、口では「自転車が好きで、メチャクチャお金もかけて・・・」とか言っておきながら、実際にはそんな雑な扱いをする人に出会ってしまい、心の底から怒りが・・・
そもそも僕や野口をはじめ、メカニシャンというものは・・・
ただお金を貰えさえすれば、どんな修理だってする訳ではありません。
ちゃんと相手の人間性を重視して、作業の一つ一つに気持ちを込めています。
お店に入ってくるや、挨拶をしても返事もしてくれないで、第一声が「これ直してくれへん?」・・・なんていうのは論外です。
お客様の安全を考え、丁寧且つ限りなく完璧な作業をするかどうかは、実はそんなところで決まる場合も少なくはないと思うんですよ。
是非工具に限らず、自転車に限らず、女性なら尚更・・・愛情を込めて丁寧且つ大切に扱って頂きたいものだと切に願います。
そしてどうせ使うなら自分にあった工具(自転車)を使いましょう!
後半はちょっと愚痴っぽくなりましたが、一応自転車(メカ)屋としての本音です。
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