大天井岳からは赤岩岳を経て東鎌尾根~槍ヶ岳と歩くこともできます。
これが北アルプスの表銀座縦走路と呼ばれる超人気ルートです。
コーダーブルーム営業マンの藤谷さんも学生の頃、登山部時代に歩いたという、北アルプスの定番中の定番ルートなんです。
逆に烏帽子岳~野口五郎岳~鷲羽岳~三俣蓮華岳~双六岳~槍ヶ岳の稜線ルートを裏銀座というのですが、こちらは逆に登山者が少ないので、混雑も無く自分のペースで歩ける縦走路として、上級者の方々に人気です。(裏銀座はそのまま後立山連峰に稜線で繋がっている為、距離といい道の険しさといい、かなりハードな縦走路になります。)
しかし今回M籏君は大天井岳から常念岳を経て蝶ヶ岳までの稜線を歩くので、写真で言うところの大天井岳から左へ進みます。
トランスジャパンアルプスレースは劔岳~立山~薬師岳~黒部五郎岳と来てからの、三俣蓮華岳~双六岳~西鎌尾根~槍ヶ岳山荘(山頂には登らない)~槍沢ルートを経て上高地というルートで北アルプスを通過する。
あんな稜線を夜通し走るなんて、一般人には想像すらできませんよね?
4大会連続で優勝した事で知られる望月選手は、富山湾からスタートして24時間ぶっ通しで西鎌尾根の中腹まで走ってくるような超人です。
これは眼鏡岩と呼ばれる岩で・・・
イルカ岩の周辺にもマッコウクジラに似た岩とか、面白い形の岩が無数にあります。
再び燕山荘を通過して、稜線歩きの旅を開始しました。
ハイマツの周辺には猿が群生しています。
この調子だと可愛いライチョウやオコジョには出会えそうもありませんね。
ん?ハイマツ林の向こうからM籏君の様子を窺っているのは・・・もしやアキラ君!?
まさか、まさかとは思っていたのですが、M籏君の事が好き過ぎてストーカーになってしまったのだろうか?
と思ったのですが、この日アキラ君は当店に出勤していました。
ってことは・・・アキラ君の生き霊?
そんな生き霊を出す暇があったら、要領よく働けよ!と河野さんに蹴りを入れられそうな写真でした。(笑)
本当にビックリするくらいあちこちにサルがいます。
登山者は絶対に餌付けとかしないようにして下さいね!
燕山荘から大天井岳までは3時間強の標準コースタイムです。
彼ら(サルたち)は冬場もここで過ごすのだろうか?
まもなく北アルプスにも短い秋が訪れます。
食料集めとかで忙しい時期ですね。
あれ?もしかして写真の左上に幻の虹が写り込んでませんか?
幻の虹は七色には光りません!白い中でアーチ状のシルエットだけ見えるのです。
あぁ・・・よく見たらほんのりと色が判りますね。
幻の虹はブロッケン現象よりも出会う確率が少ないので、山で見る事が出来たら本当にラッキーなことです。
だんだん大天井岳が近付いてまいりました。
燕山荘からここまでは標準コースタイム通りに歩いています。
さすがのM籏君も合戦尾根の登りで疲れてしまったのかも知れませんね。
これは表銀座縦走路を開拓した小林喜作さんのレリーフです。
お百姓さんだった喜作さんにいったい何のメリットがあって、こんな登山道の整備に情熱を燃やす必要性があったのでしょうか?
その動機や経緯など、当時の背景に興味を感じます。
歩き疲れていると躓いたり滑ったりして、例えこんな場所でも大けがをする人は少なくありません。
写真は今歩いてきた稜線を振り返って見ています。
登山道はここで分岐します。
西側に行けば大天井ヒュッテを経由して槍ヶ岳方面に向かいます。
今回は東側を大天荘を目指して、ここから一気に標高差200m程を登ります。
一度大天荘まで登ってから折り返すように、ここ大天井岳山頂に登ります。
標高2922mは今回のM籏君の縦走ルート上で最高峰となります。
3000mには届かないけれど、山頂付近まで車で登れちゃう乗鞍岳とかと比べても、断然価値のある登山です!
そしてこういう祠がある場合は必ずお参りして、安全登山を祈りましょう!
お疲れ気味のM籏君・・・笑顔少なめです。(笑)
この日はここ大天荘のテント場で一泊します。
現在お昼の12時半。
「この調子だったら常念小屋まで行けるんじゃない?」
僕はそうM籏君にアドバイスをメールで送ったのですが、やはり合戦尾根の疲労が後半に響いたらしく、この日は無理しないでゆっくりと休みますとの事でした。
やっぱり登山で疲れた時のコカ・コーラって美味しいですよね?
テント場から大天荘と大天井岳山頂を望む。
ベンチでご飯を食べている人たちもテント泊仲間なのでしょうか?
15時を回るといよいよガスって来ました。
これは無理して常念小屋を目指さなくて正解だったかも知れません。
槍ヶ岳方面から流れてきた雲が常念山脈を越えて・・・
安曇野方面へ下って行きます。
雲海の発生しやすい時期の早朝とかだと滝雲が見れたりするのですが、この時間帯は難しいですね。
これは大天荘側から見たテント場。
白いテントがM籏君のテントです。
松本盆地の方は雲が成長して大きな積乱雲になりかけています。
風の向きとか雲の流れがものすごくくっきりと見えますね。
山の姿が見えないのは寂しいけど、山の撮影で全く雲の無い景色を撮影するよりも、こういう雲の動きや、大きさ、人の動きが判るような写真の方が、臨場感があって実際に迫力を感じます。
再び大天井岳山頂に登ったM籏君。
しんどい思いをして登った山って、何度でもその大地を踏みしめたい気持ちになるものです。
M籏君にとって初めての世界観で、きっと何か自分の中の人生観とかが弾けて、これまでの人生を振り返って思い返してみたり・・・
これからの人生をどう生きるべきか、今の選択肢で正しいのだろうか?
そんな事をあれこれと冷静に考えることができる。
それが山の良さです。
ここに来ないと第三者的な目線で自分を見つめる事ができません。
そう僕が教えた意味を、M籏君も味わう事ができただろうか?
この時きっと充実していたはずです。
何度も山頂に立つって行動は、その心理を映し出しています。
またケルンが積まれていました。
石を積んでいるって、賽の河原を連想したりしませんか?
実際ケルンには道標の役割を持つものと、登山事故で亡くなった人の霊を慰める意味合いのものが存在します。
慰霊のケルンはこの先に行くな!って意味を含むものもあるそうなので、正直ケルンを目印に山を歩くことがややこしいと感じる事が多いです。
僕はケルンを頼りに歩かないようにしている派なのですが、皆さんはどうされているのでしょうか?
明らかに目印として建てられたケルンはもっと立派です。
こういった手作り感満載のケルンって、ちょっと不気味に感じてしまうのは僕だけでしょうか?
18時前になってM籏君の夕食タイムです。
またしても時間のかかる米です。(笑)
そこから雲海越しに見た夕焼けです。
そして南の空に月が・・・
その下には大天荘の明かりと、松本盆地の明かりが灯っています。
これは北北西の景色です。
写真右側に小さく明かりが見えるのは燕山荘の明かりだと思われます。
月の右下にうっすらと槍ヶ岳のシルエットが浮かんでいます。
この日はこれでテントに戻る。
しかし撮影しても星は全く写りません!
肉眼では感動するくらい無数の星々が見えているのに!
早朝4時に再び大天井岳山頂に登頂!(4度目)
これからご来光を拝むそうです。
大天荘も出発の準備で目覚めた人がいるので明かりが灯っています。
4時40分頃から東の空が明るくなってきました。
正面に見えるピークは浅間山でしょうか。
槍穂高連峰も姿を現しました。
ここからでも北穂高小屋(北穂高岳山頂にある)と涸沢ヒュッテの明かりがハッキリと判ります。
富士山もシルエットでくっきりと判ります!
写真左が八ヶ岳で、富士山の右には甲斐駒ヶ岳、北岳、仙丈ケ岳の順番で南アルプス北部を代表するピークが見えています。
そのずっと左手に見える山々は、草津~志賀高原の山々です。
僕も過去に横手山でスキーのインストラクターをしていました。
綺麗な写真です。
いよいよ槍穂高連峰も全容が浮かび上がりました!
とうとうご来光です!
朝焼けです!
太陽のシルエットが判るようになってきました!
槍穂高連峰のモルゲンロートが始まる時間です。
時間はまだ5時20分と少し早めですが・・・
光の垂れ幕が下がってくるみたいです。
大勢の登山者がご来光を見に集まっていますね。
槍穂高をバックに記念写真!
M籏君、笑顔!笑顔~っ!(笑)
随分と明るくなりました。
それにしてもM籏君、早朝の寒い中で撮影の為に1時間半もの間、山頂に滞在していたなんてガッツだねぇ~。
綺麗な朝日です!
何あの光?
M籏君の撮影した奇妙な写真。
美ヶ原の左に見える月のような光・・・
さっきまで無かったはずのところに突然現れました。
あれ・・・なんの光でしょうか?
とりあえずテントに戻って朝ご飯を食べたM籏君は6時半過ぎに出発をします。
いざ蝶ヶ岳に向けて!
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