まったく世の中、神も仏もあったもんじゃありません!
とまあ、そう思うことは多々あるのですが・・・
この日もまんまとしてやられました。
越前岬水仙ランドを後にした我々は、スタート地点でもある『越前やべ清』の駐車場を目指し、そしてしおかぜライン(旧河野海岸有料道路)を走り抜ける際に、日本海の夕日をバックに記念撮影をするという最後にして最大のミッションをこなさなくてはならない!
道中いくつも長いトンネルがある中・・・
「ああそういえば皆さん。これから走るトンネルの中には心霊スポットが存在するので気をつけて下さいね!何を見ても驚かない事~!」
「マジッすかぁ~?店長・・・どれだけ心霊スポットが好きなんですか!」
「たまたまで~す。」
そんな具合に走っていたら・・・
いつも目線と気配を感じる場所に近づいたので警戒したんですよ。
そこはよくツアーバスに乗る、添乗員の目撃談が挙がるくらい有名な場所なんですね。
トンネルの一部に海岸の波打際を眺められるようなスポットが、ポッカリと空いている箇所があり・・・
そこから身投げしたんじゃないかと思わせる、霊らしき気配がいるようなのです。
僕もそのスポットをじ~っと気にしていたんですが・・・
トンネルに入った瞬間その問題の箇所の対岸・・・つまり進行方向で言うところの左手の暗闇に、なにやら『うごめく黒い影』が・・・
「うわっ!」
よく見たらMTBで走っているサイクリストでした。
「よりによってそのタイミングって~!」という心境でした。(一応挨拶は交わしましたが・・・)
結局言い出しっぺの僕が一番動揺してしまったというお粗末な結果に・・・(苦笑)
更にはトヨタのシャア専用オーリスが走っていて・・・
「うわぁ!出力が120%で、スピードは3倍やで~!」と心躍る。
その後越前がにミュージアムも通過し、北前船主の館がある河野まではひたすら直線って感じの区間が続くので、再び『弱虫ペダルの新開君走り』がしたくなる衝動を抑えて、時速38km前後のペースをキープ。
風はそこまで強くはなかったけれど、さすがにゼロではなかったのと、いい加減・・・意味のわからんテンションも含めて、多少疲れが溜まってきました。
ここまで余裕でついてきていた・・・というより、梨子ヶ平のヒルクライムでは超ハイテンションでアタックしまくっていたI藤様も、そろそろ本当に疲労が出てきたみたいです。
でも実は僕・・・まだ余力を残していたんですよ(笑)
しおかぜラインでラストスプリントを仕掛けて、今度こそ残った力を全て出し切ってやろう!
そう思ってさりげなく・・・120km以上走って崩れてきたペダリングの違和感を修正する為、一漕ぎ一漕ぎに全集中力を注ぎ込み・・・
余計な筋肉の動きがないかを足の先から後背筋、手の指先に至るまで、筋肉の筋1本1本の動きを確かめるように走り、少しずつ今の速度を楽に維持できるように動きを調整。
「集中力さえ高めたらまだいける!」
そんな確信ができた辺りで河野に到着。
道路の向こうに見えるのが北前船の船主の館がある集落の一部です。
路地裏とか歩くと情緒満載です。
既に敦賀湾の中なので右手に対岸が見えています。
そしてこれから向う『しおかぜライン』も見えています!!
わかりますかねぇ~?
こんな緑色した道がうっすら見えているでしょ?
「いよいよラストですね~!」
「本当ですね~!」
「そろそろ太陽がいい具合に西の空へ・・・」
「タイミングもバッチリですね~。」
携帯電話で写真を撮り終わったばかりの僕は、まだ悲劇に気付かなかったのです。
この後待ち受けている神のいたずらに・・・
そして5分後H川様とO様2号が追いついてきたので、スタートしようとしたその瞬間・・・
「あれ?あれ?何がどうした?」
「どうしたんですか店長?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・マジかよ。」
クランクが完全に空回り。
どうやら後輪のフリーボディに内蔵した、ラチェットの爪が倒れっぱなしで、起き上がらないまま空回り・・・
そういう症状に陥った模様。
「も~っ!さっきまでちゃんと走っていたやん!なんでここに来て急に走れんようになんの~?あ~~~っ!!」
悔しくて絶叫でした。
確かに予兆らしきものはありました。
それも4回。
ゼロ発進の時だけ、一瞬「カキン!」ってチェーンとギアが噛み合ってないような滑りが・・・
「あれ?チェーンリングかスプロケが欠けたんかなぁ?それともチェーンが伸びたんかなぁ?」
まるで整備もせずに5~6年くらい、毎日乗り回している自転車を乗った時のような不快感。
まあ何だかんだで16年近く乗っているので、ガタが出てきてもおかしくない自転車ではありますが・・・
まさかラチェットの動きが鈍くなっていた事が原因だったなんて・・・
TOKENのホイールは確かに安くて軽くて、それによく回ります!
文句のつけ所が無いくらいいいホイールです。
しかし雨の日に走ると弱いです。
1年ちょっと使用してラチェットの故障が3回目!
2回目の故障を直した際、東商会さんに新しいリングバネをつけて頂いたので、バネの錆による破損は心配しなくてよくなったのですが・・・
まさか今までのラチェットロックが無くなった代わりに、ラチェットフリーなんて症状になるとは・・・
いずれにしてもマメなメンテナンスが必要であることと、雨の日はフリーボディのグリスが流れやすいって事なんでしょうね。
参加者は事故もパンクも無く無事に完走!
しかし主催者は機材の故障によりリタイア!
最後の最後で、こんなオチが待っているなんて誰が想像できたでしょうか?
「結局今日、一番おいしいところを持っていったのは店長でしたね。」
「参ったなぁ~。ゴールまであと10kmあるかないかやっていうのに。」
「じゃあ店長!僕らがゴールしたら、車で回収に戻ってきますね!」
「すみません!よろしくお願いします!」
そこから小一時間、僕は道を行き交う車を見ては・・・
「H川さんまだかな~!」
「なんやねん!見てんじゃね~よ!」
「別に困ってる訳じゃないからな!」
等と、複雑な心境を思い浮かべながら待っていたのでした(笑)
その間他の3名はしおかぜラインで絶叫していたらしい!
日本海と夕日が美し過ぎて・・・歓喜の絶叫。
H川様の撮った1枚。
僕が待っている間に、こんな綺麗な景色を楽しんでいたんですね!
ちなみにH川様が夕日に心を奪われている様子を、I藤様が撮影すると・・・
まずは進行方向・・・
そして夕日・・・
H川様・・・
とまあなんだか楽しそうですね。
うらやましい!
僕だけ一緒に夕日を楽しめず、「チ~ン!」って感じでした。
その後H川様が迎えに来てくれて・・・
帰りにしおかぜラインからみた夕焼けがこれ。
完全に雲に隠れてしまっています。
何とも悲しい結末でした。
総走行距離は約150km。
リタイアした僕は138.5kmしか走れませんでした。
信号待ちや休憩時間を抜いた場合の平均時速は僕とI藤様で約27km/h。
H川様とO様2号で平均24~25km/h
H川様曰く、獲得標高は1500m近かったそうで・・・
思いの他アップダウンを走ったんですね。
さあこれから敦賀まで戻ったら、まずはお土産を買って・・・
その後は・・・「宴だ~!」
次回エピローグ(大団円!?)おたのしみに。
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