前夜はまったく寝れませんでした。
出張修理のお預かりやヘビーな修理が溜まっていたので、土日に返却予定の車両を仕上げたり、ブログを更新したり・・・と、一晩中お店で過ごしていました。
最近店内で怪奇現象が起こった事もあり、夜遅くまでいるのは嫌なんですが・・・
もう連日2時~3時までいるのが当たり前になってきてます。(苦笑)
ちなみに怪奇現象っていうのは、作業に没頭していたら子供用自転車のベルが勝手に鳴ったり、不要なダンボール等を置いている所から、人じゃなきゃ出せないくらいの物音がしたり・・・
で、ダンボールの物音の件のうち1つは原因を突き止めて、恐らくこれが原因だろう・・・っていうのは判明したのですが、自転車のベルが鳴った件だけは不自然極まりなくて、未だ原因は判りません。
もちろん外の音ではなく、店内の音なのは明白なので、それが非常に謎です。
そもそも深夜に外を子供が自転車で走るはずも無く・・・
まあ僕にとって心霊現象なんていうのは、ほぼゴキブリに遭遇するくらいの出来事に過ぎない訳なんですが・・・とはいえ、やはり遭遇して気持ちのいいものではないですよね?(笑)
とりあえず深夜2時頃から自分の自転車をいじり始めました。
といいますのも・・・いよいよ23Tのスプロケに交換しようかと思いまして。
K合様と勝負をするなら勝ちに行きたいし、負けてもいつもみたいに21Tのせいにしたくなかったので、とりあえず言い訳できないセッティングにはしておきたかったんです。
そして後輪を外して、ついでに振れ取りでも・・・って台に乗せて、あらビックリ!!
フリーの反対側のスポークのテンションが全て緩んでいて、いつニップルが抜けてもおかしくない状況に・・・(汗)
確かにしまなみから帰って以来、ほぼ放ったらかし状態でしたが・・・
むしろ先週の走行会とか、結構スピードを出していたし、そこそこトルクもかけていたので、よく事故をしなかったものだと感心。
更にはリムとブレーキも擦っていたのに、それすら気付かなかったという・・・
重く感じるのは自分の疲れからなんだろうと感じていたので驚きです。
結局後輪の振れ取りとスプロケ交換をして、試走なんてしていたら・・・あっと言う間に3:30です。
そこからまたお預かりの自転車の修理作業を開始。
時間が6:00になったところで・・・
慌てて脚の毛を剃る作業に・・・(笑)
こういう時の為にカミソリを買っておいてよかったです。
っていうのも・・・そろそろタイツに長袖ジャージは暑いじゃないですか?
いよいよ夏ウェアですよ!
また毎週スネ毛と格闘するシーズンになってしまいました。
しかもお店でスネ毛を剃るなんてシュールな・・・
そうしているうちに6:30にI藤様が来店し、前日にうちで預かったホイールを持って帰られました。
実は前日サイクリング中にパンクして、ご自身で修理なさったそうなのですが、念の為にちゃんと修理ができているかを点検して欲しいという依頼だったんですね。
この後一旦帰宅してからホイールを装着し、走行会にお越しいただきます。
それにしてもスネ毛の処理にてこずる・・・(汗)
で、なんで脚の毛を剃るのかって?
最近はブームに乗ってスポーツサイクリングを始められた人口が圧倒的に多いので、きっとロードに乗り始めたばかりの人々には、自転車乗りが脚の毛を剃るという行為は、およそ理解し難い文化に映っているとは思いますが・・・
まあわざわざ脚の毛を剃る事については改めて別の記事で触れましょう。
ところで店前が慌しくなって来ました。
O様2号にH川様が到着し、そしてK合様が輪行バッグから自転車を出して組みたてています。
「おはようございます!」
「店長!奥で寝てはったんですか?」
「いやいや。実は全然寝ていなくて・・・もう寝るのは諦めて自転車を直してました。ちなみに今は奥で脚の毛を剃っていたんですよ!」
「ブログのアップも夜遅かったから、きっとそんな事だろうと思っていましたよ。あまり無理をなさらないで下さい!」
「店長は一睡もしていないまま走るんですか?」
「はい。走りますよ~。身体はガチガチですけど、気持ちはK合さんと勝負する気満々なので、集中力と気力は大丈夫ですよ。」
「え~っ!まさか山とか行かないですよね?」
「はい?K合さんがそんな弱音吐くんですか?」
「いやぁ、僕全然走れてないので山は自信がないっすよ!」
「またまた~!そうやって走る前から、万が一負けた時の言い訳工作をしない!」
「え~っ!違いますよ~。」
「違わないです!K合さんはそんな風にとぼけておきながら、勝負所で普通にアタックを決めるようなワルです!」
「そんなことないですよ~。」
「知ってるんですよ!K合さんがひるがの高原の大自然を自転車で満喫(トレーニング)しているって・・・フェイスブックで自慢していたでしょ?」
「いやいや、毎回10kmか20km程度しか走っていませんよ~。」
「またまた~!」
まあそんな感じの会話を交わしてスタート(笑)
I藤様も合流して5名で出走。
結局僕は脚の毛を全て剃れなくて・・・
膝上は諦めてニーウォーマーを装着して誤魔化す事にしました(笑)
いや~。
この日は高校生コンビが翌日にレースって事もあってお休み。N様2号も仕事で不参加。
ある意味今回は助かりました。
さすがに徹夜明けの走行会は重い!
集中力は高まっているので、ガチガチに固まった身体を除けば全然戦える感じなんですが・・・
「っていうか店長!今日も21Tで走るんですか?」
「えっ!K合さん、いきなりその話題に触れるの?」
「聞いたらまずかったですか?」
「できれば内緒にしておきたかったなぁ~。一応23Tに交換したんですけどね。」
「おお~っ!23T持っていたんですか?」
「えっ?そっち?っていうか自転車屋のオーナーに対してKY発言でしょ今の?23T~のスプロケはTAのケオプスとシマノ・デュラエースの2種類持っています!」
「でもそれって店長、今日は本気で走るって意味ですよね?」
「そりゃK合さんには負けたくないですもん!」
「なんかプレッシャーですねぇ。」
しかし23Tのはずなのになぜか重い・・・
信号待ちの時にふと見たら、ブレーキがリアホイールに干渉し、片効きの状態でした。
「ホイールの振れを取った後にブレーキも調整したのに何で?」
よく見たら何度手で直してもセンターが狂うので・・・
アライメント調整をしてなんとか直しました。
恐らくホイールが振れた時にブレーキのアライメントも狂ってしまったんでしょう。
その後走り出したら、なんと楽チンなこと!
「やっぱり23Tは楽やわ~!」
あとはいつ攣ってもおかしくない身体に無理なく走るだけ・・・
再度ドライブウェイの上り口に着き、H川様とO様2号に先行して頂く。
O様2号は本来僕と一緒に30分切りを目指すレベルなのですが、直前にお腹の調子を悪くした模様で、かなり苦しそうだった事と・・・やはり最近は就職活動で自転車に乗る量が減っているのが原因で上りのスピードはピークの頃より遅くなっているのでH川様と走って頂きました。
そこでK合様は「あれ?僕も先に行ったら駄目ですか?」と白々しく泣き言を・・・
「はい!駄目です!貴方は走れる人ですから。」
「え~っ!マジですか~。」
そして信号を2回待った辺りで残った3人でスタート。
トンネルを抜けるまでのタイムが既にベストタイムより30秒以上遅れて・・・
更にビーナスブリッジを潜るまでのタイムは4分45秒とベストより1分遅いペース。
でもこの区間って脚が残らないくらいハイペースで上ったところで、結局1分やそこらしかタイムが縮まらないのか・・・
そう考えると、ここは脚を温存して上った方が賢明だっていう事が判断できます。
それにしてもI藤様が健闘しています!
まだ後ろをピッタリとついて来られております。
I藤様も日に日に速くなっているので、そのうち僕が置いていかれる日も遠くないかも知れません。
ところで最も苦しい区間でもある、ビーナスブリッジのゼブラゾーンからヘアピンまでの区間・・・
23Tがあると一番救われるのがこの区間なんです。
いつもならダンシングで喘ぐところを、シッティングで踏んでいける!
お陰で2つ目のヘアピン(碇山)まで11分強で上れ・・・
ここまでは速い人なら10分足らずで上ってきますが、昨年僕が走った中の一番速かったときで11分50秒くらいで、その時は最初のピークで脚を使い切って、後半のタイムが伸びなかったのですが、今回はかなり余力を残して11分強ですから、この時点で関の茶屋まで30分を切れる手応えを意識しました。
しかし・・・
そうなんです。
I藤様はさすがに遅れはじめていたのですが、K合様はまだ後ろについて来てて、最初のピークまでの距離があと僅かだと確信した瞬間アタックを決めてきたのです!
「やっぱりやってくれたか!」
ついさっきまでゼエゼエと呼吸を乱して、「大丈夫ですか?」って心配になるほど苦しそうだったK合様は、どうやらそういう作戦だった模様。
確かにピークまで一気に逃げ切れば、下りで更に差を広げられる。
そうすれば精神的にも後続に追う気力を無くせる・・・そういう作戦だったのでしょう。
でもそれは逃げる際に必要以上の脚を使うため、しつこくついてこられた場合は、逆に自分へのプレッシャーが増すリスクも忘れてはなりません。
そんな小手先の作戦は目に見えているので、僕はただ必要以上に離されないようついて行くだけ。
ただちょっと悔しかったのが、今回23Tのスプロケに変え、この徹夜明けのコンディションでどこまでタイムを更新できるか・・・それを試したかった僕としては、このK合様のアタックによってペースを乱され、余計な神経と脚を使う羽目になった事はいうまでもない。(笑)
とりあえず射程距離を保つ。
下りで引き離されても、僕にとっては相手に精神的有利を味わせ油断をさせることで、次に追いついた時に相手へ与える精神的ダメージが大きいって事も計算に入っているので・・・
K合様が見えなくなってから加速するように心掛ける。
そして下っては上り、下っては上りする再度山の後半セクションにおいては、僕の戦法が絶大に威力を発揮する。
下り切る前に加速して、その惰力を殺さずに一気に次の上りの中腹くらいまで上る!
その時に惰力を殺さず楽に速く上るため、最大限の集中力で走れば、必ず先行した走者に圧倒的なスピードで追いつく。
先行者が追いつかれた事に気付いて逃げれば、ただ必要以上に離されないようそれについていけばいい。
先行者は逃げる度に脚を使うが、追う方は配分をコントロールするだけで、先行者ほど脚を使わなくていいのです。
再度ドライブウェイは顕著にその効果を発揮できる類稀なコースなんですよ。
大竜寺の前後でK合様が本気で逃げる。
僕のプレッシャー作戦が効いている証拠です。
そうなると僕は意地でも射程圏を保つのみ!
再度公園の上りではかなり差を広げられてました。
外人墓地の下りで完全に視界から遠ざかり・・・
「そろそろ本気で追い込まないと逃げ切られるかな~。」
そして学習の森の急カーブを曲がってからの上りでスピードアップ。
しかし一度自分のペースを乱された僕は、思いのほかスピードが上らない。
「やばいな・・・それほど余力を残せなかったかぁ~。」
これは本当に追いつけるかどうかの瀬戸際だと実感した僕はギアを1枚軽くし、ケイデンスを上げてペースを持ち直す。
ジワジワとではありますが、本来この区間を走るスピードまで回復したところで、200m先のカーブを曲がり切ったK合様の影が林の向こうに見えました。
「さて・・・残り1.5kmで追い込めるか?」
すると何やらK合様の動きが止まった模様。
「は?どうしたの?」
なんとK合様がUターンして戻って来ました。
「すみませ~ん!ゴールってもう通り過ぎちゃいましたよねぇ?」
「はあ?まだですよ!何言ってるんですか?」
「ええ~っ!そうなんですか~?」
すっとぼけるにも程があるってものです。
K合様はこのコースを走るのは初めてではありません。
過去に僕に勝って得意げだった事を考えたら、ゴールがまだ先だって事はわかっているはずなんです。
「K合さん!真剣勝負なんですから茶を濁さないで下さいよ!」
「いや~。ゴールってまだ先でしたっけ?」
まだとぼけています。(笑)
きっと脚を使い切ったところで、僕が追い上げてくるのが見えて、結果を有耶無耶にしようという作戦だったのでしょう。
なかなかダーティーな事をしてくれます。
『弱虫ペダル』の御堂筋君並みにワルですK合様!(笑)
しかもK合様のUターンに驚いてスピードの緩まった僕は、また地道に加速させるのですが・・・
その横をまたスイ~っとK合様が抜いていく。
「言っておきますけど、僕にはまだ余力が残っていますよ!」
まるでそう言っているかのようでした。
とことん小賢しいです!
ここまでコケにされては絶対に先に行かす訳にはいきません!!
後で「途中でゴールが判らなくてUターンしちゃったけど、でも店長には勝ちましたよ~!」とか言われたらムカつくでしょ?(笑)
残り1kmを切った辺りでようやく速度が乗ってきた僕が、左カーブで右へ脹らんだK合様のインを刺して抜こうとした瞬間、今度はガードレールへ幅寄せをしてブロックされる。
あくまでダーティ!
ブロックされてブレーキを引いた僕は再び失速。
ジワジワ追い上げてもまたブロックされる可能性があると思った僕はしばらく距離を置いて走る。
そして森林植物園の西門前を通過。
K合様が加速する!
それは間も無くゴールだって事が判っている証拠です。
僕は1テンポ遅らせて加速。
K合様の加速は脚に余裕が無い最後の一絞り!って感じだったので、僕はあえてすぐに反応しなかったのです。
西門前を過ぎた右カーブを曲がれば最後の上りがあります。
その右カーブで後ろを振り向いたK合様が、僕が追わないのを確認すれば、上りの途中で安心して速度を緩めるだろうって考えたからです。
という訳でK合様が右カーブを曲がって見えなくなってから、僕は残りの力を出し切って一気に加速!
K合様が安心し切って減速したタイミングで、圧倒的な速度差でぶち抜き、反応する気力すら奪ってやろう!という作戦です。(笑)
そしてそれは見事に決まりました。
追い抜く際にK合様の「ちくしょ~!」という、悔しげな叫び声が聞こえ大変心地よかったです(笑)
関の茶屋で待っていたら、20秒ほど遅れてK合様がゴール。
あの距離でこのタイム差って事を考えたら、ハートの勝負で完全に打ち負かしたって感じですね。
前回のリベンジができて非常にうれしかったです(笑)
久々に楽しいバトルができました。
ちょっとK合様!
名古屋での仕事は辞めて、またこっちに戻ってきて下さいよ!
一緒にレベルアップを目指して走りましょうよ!
Uターンはともかくとして、調子が悪いフリをしたり、他人のペースを乱すアタックを決めたり、幅寄せしてラインカットをするなんていうのは、レースでは常套手段なので、実際のところ僕は気にしていません。
むしろそういう相手の方が燃えてきます(笑)
それ以上にK合様は普通に速いし、まだまだ速くなれる人なので、これからも一緒に走れたらいいな~っと思ったのでした。
ちなみに気になるタイムは29分49秒!
ようやく30分を切れました。
満を持して23Tのスプロケを導入して、それで何も変わらないようだったら、僕はいよいよ年貢の納め時だと思っていたので、それなりの手応えが掴めて良かったです。
それでもロードバイクにデビューした当時の僕自身にすら、まだまだ追いつけていないので、更に目標を上げていかないとレースに復帰はできません。
そして少し遅れてI藤様がゴール!
タイムは33分を切ってきました。
この1ヶ月の間に4分以上の更新です!素晴らしい!
H川様は38分でゴール。
先日まで40分以上かかっていた事を思えばかなりの更新です。
そしてO様2号は・・・
残念ながら腹痛でリタイアし、途中で下山したそうです。
そう、これが『ピナ吉の呪い』の序章でした。
関の茶屋で缶ジュースを買って飲んでいたら「パ~ン!」
僕はH川様のTREKの後輪がバーストする瞬間を見てしまいました。
前日も修理で店にやって来た自転車が目の前でバーストして、鼓膜が破れるかとヒヤヒヤしたばかり・・・
素晴らしい事に予備チューブとインフレーターを持参しているH川様はすぐにチューブ交換。
しかしこれまた空気を入れてホッとした瞬間に再びバースト!
これは『ピナ吉の呪い』以外に考えられない!という話にまとまり・・・
もう一本の予備チューブを今度こそバーストしないよう、念入りにリムの内側を点検し装着。
これまたもう一本のインフレーターで、念の為に6気圧程度まで入れてストップ。
そうしているうちに、いい加減時間が迫ってきたので店へ戻る。
で、下山してから恐ろしい思いをする事になる。
なんと僕の腕や肩にイモムシが!
どうやら木からぶら下がっていた奴がくっ付いたのでしょう。
「ギャ~ッ!」
それも先頭を走っていた僕だけが被害を受けたようでした。
しかし・・・
お店に着いてK合様の自転車をディスプレイスタンドに乗せようとした途端・・・
「ギャ~ッ!」
K合様自慢のピナレロにイモムシが無数に・・・
落下した数匹が店の床を這っている・・・(汗)
「これはピナ吉さんの呪い確定ですね。」
いつも優しいH川様が、ここぞとばかりに毒づくのでした(笑)
そして翌日までピナレロを預かる事になったのでお約束。
「ピナレロ無料貸し出し中ですよ~!」って宣伝したのですが・・・
まず地元中学生に「えっ?でもそれピナ吉さんの自転車なんやろ?じゃあいらんわ!」って拒否され。
更にロードに興味を持った女性客にまで・・・
「え~?ピナレロの試乗できるんですか?すご~い!でも結構です。」と断られる。
結局ちっともピナレロ祭りの役を果たしてもらえなかったという・・・
まあ懲りずに頑張りましょうK合様!
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